スコットランドの学校でVRヘッドセット支給 / 教育とVRの関わり方
■ニュースの概要
・スコットランドの地方議会が、地域内の全学校にVRヘッドセットを支給することを決定
・歴史や地理の学習体験を強化する狙い
・頭の動きと手のジェスチャーで操作する体験型のコンテンツ
地域内に全支給というのは、かなり早い事例だろう。全支給もそうだが、フルCGでコンテンツを作るとしたら、かなりの制作費がかかりそうだ。
VRの教育分野への応用については下記のブログによくまとめられている。
VRを用いるメリットの1つとして、歴史上の人物と話すなどバーチャルだからこそ質が上がる体験があげられているが、スコットランドのコンテンツはどのレベルのものが供給されるか興味深い。
歴史に限っていえば、おおまかに2つの方向性があるだろうか。
①歴史上のイベントに出くわす。その過程で人物とも喋れる。
②過去の都市を歩きまわれる。人ではなく空間体験がメイン。
①は、AIの発展とともに偉人達のバーチャル人格のクオリティは、恐ろしいくらいに発展するだろう。映画『her』にでてくる哲学者アラン・ワッツのバーチャル人格のように。しかしせっかく会話ができるのであれば、偉人だけでなく街を歩く普通の市民とこそ喋ってみたい。古代ギリシアでプラプラ歩いている市民や、ナチが台頭していくころのドイツの市民など。時代の声を聞くのは面白く恐ろしい体験になるだろう。
ただ、偉人は全著作をAIに学ばせるなど方法があるかもしれないが、一般市民との会話は、会話をつくる人間の思想が強く影響しそうだ。
会話以外の歴史イベントといえば、やはり戦争だろうか。プライベートライアンの世界にぶちこまれたら幼い子どもだとトラウマになりそうだ(大人だと娯楽になるが)。
都市体験であれば、リメンバー・ミーのVRは非常に優れた都市体験のようだが、このように古今東西の大都市を体験できたらどんなに楽しいだろうか!!あるいは、秘境の村を体験するのも面白いだろう。VR上でシルクロードの旅を体験できたら楽しくて帰ってこられなくなりそうである。
過去を学ぶだけでなく、起こりうる危機をシミュレーションを体験するにもVRやMRは向いているのは間違いない。とび職の人がビルから落ちる体験や、普段の街に津波のCGをかぶせ、いかに高いところまで波がくるかを体験すれば知識に実感が伴うだろう。津波のMRはかなり良いと思うのだが、いつ実装されるのだろうか?
最後に教育向けVR/ARコンテンツを作っている企業についての記事をメモ。